どうぶつや虫は天災が来るのを知っている!?日本の言い伝えあれこれ

2014年9月27日、長野県と岐阜県にまたがる活火山、「御嶽山(おんたけさん)」が噴火しました。大変残念なことにこの日は多くの方が犠牲となり、人々の記憶に残る大災害となってしまいました。

火山の噴火や地震は現代の科学の力をもってしても、予知をすることはほぼ不可能となっています。携帯電話が普及してからは地震の直前に防災アラームがなりますが、直前すぎて逃げる間もありません。

これまでも日本に幾度となく襲い掛かっている天変地異ですが、もしかしたら動物や虫たちはわたしたち人間よりはるかに優れた体感により、天災の発生をキャッチしているのではないかと思われる話があります。

虫がいないと噴火か地震がおこる

御岳山の噴火のあと、信濃毎日新聞朝刊のコラムにこのような内容のことが書かれていました。

御嶽山のふもと木曽町開田で1人暮らしをしていたおばあさん(83)は、その年の8月の中旬、お盆ぐらいからあたりの異変を感じていたそうです。それは「虫がいない」ということでした。

いつもの夏なら外をうるさく飛ぶアブ、家の電灯のまわりを舞うカメムシ、のき下に巣をかけるアシナガバチ。そのどれも見かけないことに気づいたのです。

噴火の13日前の9月14日、おばあさんのお孫さん(30)が家族といっしょにおばあさんの家の手伝いに来ました。そのときお孫さんは葉もの野菜に虫がついていない畑で、おばあさんに「虫がいない年は、御嶽山の噴火か地震が起きるよ」と聞かされましたそうです。それは昔からの言い伝えだと。

そして約2週間後、おばあさんの言葉通り山は噴火しました。

地震予知?宏観異常現象(こうかんいじょうげんしょう)

噴火や地震の前の兆候は「宏観異常現象(こうかんいじょうげんしょう)」と呼ばれています。

これは地震や噴火の前にみられる、地鳴り、地下水、温泉、海水の水位変動、水質の変化、に加え、動物の異常行動、ことわざや民間伝承、迷信も含まれています。

日本でもっとも知られているのは「ナマズが暴れる地震が来る」ですね。

科学的な根拠がないためこれらを地震や噴火の前兆として発表されることはありませんが、日本全国にさまざまな民間伝承はみられます。

防災に関わる「言い伝え」というウェブサイトには全国津々浦々の民間伝承を調査した資料が各県ごとに掲載されています。

https://www.fdma.go.jp/mission/bousai/ikusei/item/ikusei003_02_02.pdf

その中で地震、水害に関するものをメインとし、ほか気になるものをピックアップして紹介します。このサイトでは民間伝承は「 科学的な根拠はないが、実際の経験則による」とされています。

岩手県 関市 「 蛇、木に登れば水害」
岩手県 関市 「朝雷は洪水のもと」
岩手県 関市 「川霧が発生すると大水になる 」
岩手県 奥州市 「 雪の多い年はカマキリが草の上のほうに巣を作る」
岩手県 奥州市 「火災(火事)の時、猫は家の下にもぐる」
岩手県 野田村 「超大漁の翌年には、大津波がくる」
宮城県 「蛙が高いところにのぼると洪水、蜘蛛が巣を上にかければ洪水」
秋田県 秋田市 「カラスが低いところに巣を構える年は台風のある年」
福島県 舘岩村 「 蜂が低いところに巣を作るときは台風が多い」
福島県 舘岩村 「蛾(が)が大量に発生するときは大雪になる」
埼玉県 「亀が上にあがると大水が出る」
埼玉県 「カラスが巣を高い所に作ると大雨、低い所に作ると台風」
千葉県 「地震の前には魚が跳ねる」
神奈川県平塚市 「ねずみが騒ぐと地震が来る」
富山県 小矢部市 「地震が起きる前には、スズメ・カラス等の鳥がいなくなる」
山梨県 増穂町 「なまずがひげを動かすと地震が起きる
愛知県 豊田市 「キジが、けたたましく鳴けば、地震がある。ナマズがさわぐと地震がおこる。地震の前にはネズミが居なくなる。又は急に騒ぎ出す。ヘビが、屋根に登るは、地震の知らせ。アリが多い年は地震多し。海底の魚が浮き上がるは、地震の前兆」
愛知県 「キジは春になくもので他の時になくと地震が来る」
徳島県 宍喰町 「スルメイカが多くとれた時は地震に気をつけろ(昭和南海の時そうだった)」
宮崎県 串間市 「カラスが騒ぐと地震が来る」
宮崎県 「ヘビは地震の前に樹に登って避難する」
宮崎県 「ネズミは大地震の前になると家の中から居なくなる」
宮崎県 「ネコは地震発生前に家から戸外に飛び出る」

「キジが鳴くと地震が起こる」という言い伝えは、日本の北から南までどの地域でも言われています。キジは藪の中でじっと身を潜めているので、地震の予兆にいち早く気づくのではないかと言われているそうです。

またこれまでの記録から、

1896年の「明治三陸地震」では、三陸海岸一帯で記録的なマグロの大漁となり、1933年「昭和三陸地震」ではいわしの大群が海岸に殺到、岩手県では大量のアワビが海岸に打ち寄せられる、という異常行動が起きたそうです。

動物は地震を予測できるのか?

アメリカ地質調査所は「動物は地震を予測できますか?」という質問に対して、次のような返答をしています。

「地震の前のどうぶつの異常な行動に関する最初の言及は、紀元前373年のギリシャの記述です。 ネズミ、イタチ、ヘビ、ムカデは、大地震の数日前に家を出て安全なところへ移動した、伝えられています。

逸話的には、地震の数週間から数秒前に動物、魚、鳥、爬虫類、昆虫が異常な行動をすることはたくさんあります。

しかし、地震の前に一貫した信頼できる動作をするとか、それがどのように機能するかを説明するメカニズムは依然として私たち解明されていません。そしてこの謎を追求する科学者のほとんどは中国または日本にいます。」

大地震の前にどうぶつや虫がおかしな行動をとることは記録には残っていますが、その「記録」の大部分は、厳密にテストすることができないため、単なる”逸話”で終わらされざるを得ないのが現状です。

どうぶつや虫と人は言葉でコミュニケーションを取れないので、致し方ないですよね。

一応、「動物は前震によって生成された地震波(P、Sまたは表面波)を感知する可能性があり、別の選択肢として、地下水の変化や地面からのガスの放出など前震によって引き起こされるものをどうぶつや虫が感じ取っているのかもしれない。」という意見はあるようです。

もしかしたら、ワンちゃんやねこちゃん、ハムスターやそのたのペットたちは飼い主に言葉で「あぶないよ」と伝えられないジレンマを感じているのかもしれませんね。

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